【鍼灸の戦略と症例】首の痛み
2015/5/3
- 一般鍼灸
- 鍼灸の戦略と症例
30代 男性 会社員 趣味で格闘技をしている
【主訴】
首を動かすと痛い。
【現病歴】
昨日の総合格闘技の練習中、首を捕まれる動作から逃れようとした時、瞬間的に首に痛みが発生する。(首を捕まれる動作:正面にいる相手が自分の首を両手で掴んだ状態で、首が前の倒れこむ動作。)
【所見】
右頚部全般に左よりも肥大している。
頚部運動痛:前屈、後屈、左回旋、右回旋+ (特に、後屈と右回旋が+)
全身的所見:脈状は平脉に近いが、脉差にて肝虚で胆経膀胱経(胃経も)へ影響している感じがある。
【処置】
右天容・中府(虚している部分に刺鍼して全体を緩める)→ 右人迎・扶突
大鐘・蠡溝・右豊隆・解谿→光明・附陽に刺鍼
左右僧帽筋の緊張を緩める→ 右頚部は硬結を意識した配穴
【鍼灸戦略と考察】
右頚部は後ろも前も両方とも緊張が強い。まず、前の部分から虚している陥凹部を補うようにして、前頚部全体の緊張を取るようにする。人迎・扶突について、経穴名は適当に記載しているが以前に参加した松本岐子先生のセミナーで習得した頚部回旋時における刺鍼法である。以上の処置と全体的な処置にて、頚部回旋痛(前屈や左回旋)はやや改善する。右回旋や後屈は、そもそもこの短時間で改善することはあまりない。なぜなら、負傷しているメインは右肩甲挙筋を中心とした筋群の問題と考えられる。そして、これらの筋肉が短縮したときに強い症状がでているので、筋肉に強い虚血性の変性があることが示唆される。虚血性の変性は、施術直後に全てが改善されるわけではなく、施術で良い方向付けがされた後にゆっくりと改善していくものである。
(No.451)
肩こり・腰痛かた原因不明の症状まで 自律神経を整える鍼灸院
はりきゅう いとう治療院@緑地公園 豊中・吹田