【肩こり】 標準整形外科学の肩こりについての解説2
2013/7/20
「・・・同一姿勢での作業・・・」
所謂、「姿勢が悪いから肩こりになる」ということとほぼ同義です。そもそも筋肉は、伸びたり縮んだりと、関節を大きく動かすことが得意としているので、同じ姿勢を続けるという行為を筋肉は苦手としています。(※姿勢維持に関与する筋肉は、肘や膝などの関節の筋肉に比べて関節を固めてじっとするのは得意とはいえ、やはり血行障害となりやすい)
「頚椎や肩関節の機能障害などによって・・・」
頚椎とは首にある7つの骨、肩関節は肩がこりやすい部位よりも外の腕の付け根辺りです。「頚椎の機能障害によって」とは、頚椎周囲の組織が何らかの理由によって変性し、頚椎から出る神経や周囲の血管の異常が肩のコリに影響するということでしょう。肩関節にかんしては、所謂、五十肩(病期の後半は関節が固まる)によって関節の動きが制限される為に、近くにある肩こり部位も動きが乏しく、血行不良からこりにあるものと思われます。
「僧帽筋に負担・・・」
僧帽筋に限ったことではありません。僧帽筋は範囲が広く、体表に近い筋肉なのでより深部にある他の筋肉の問題であっても同時に確認しやすい為に言われるのだと思います。実際には、肩甲挙筋や菱形筋、肩関節に関連する筋肉群、脊柱の周囲の筋肉などもコリが生じる場所となります。また、解説1の冒頭にも書いたように、頚部の横、前から前胸部に存在する筋肉群(斜角筋など)も臨床的にはとても重要です。
「仕事上の精神的ストレスが大きいと肩こりが強く感じる傾向がある。」
姿勢異常や他の部位からの肩こりは物理的なストレスという範疇になります。精神的ストレスの影響とは、嫌な感情や気分の不良などによって分泌されたストレスホルモンが肩の筋肉の血管の収縮を促し、血行不良になるのが主たる要因でしょう。これに関しては、複雑な内容となりますので、どこかでまとめたいと思います。