【肩こり】 肩の凝り?痛い?ダルイ?重い?張る?
2013/7/21
肩こりに限らず、筋肉系の症状には、患者さんからの訴えには違いがあります。
例えば、肩がこる(凝る)・肩が張る・肩が痛い・肩が重い・肩がだるい(怠い)といった感じです。
これらの訴えは、
A 肩が( 張る ・ 痛い )
B 肩が( こる ・ 重い ・ だるい )
の二つのカテゴリーに分類することが出来ると思われます。
違いは、筋肉の「変性」具合です。
Aの場合は、急性の状態によく見られます。筋肉に”過剰な動的作用”が加わった状態であり、極端な状態では炎症が見られます。
例えば、ダンベルにて腕の上げ下げ運動をたくさんする。あるいは、ボキボキと首を鳴らして動かしていたら、急にグキっとなって痛めた。今回、関節や骨の問題は無かったものと仮定すると、前者ではダンベル運動と言う”動的な行為を過剰”に行った結果、筋肉に疲労物質が溜まりすぎて張っているという状態(筋肉痛※注)。後者は、”急激な首の動き”に筋肉がついてこれないで筋繊維が損傷し、軽い炎症を起こした状態(寝違え)と言えるでしょう。
逆に、Bの場合は慢性的な症状を示唆します。慢性的な症状の成り立ちは大きく二つです。一つ目は、Aのパターンを繰り返し起こしたり、適切な処置をせずに放置したりする場合です。筋肉痛の原因物質が筋肉内に長く留まると凝り(硬結)を形成します。患部は痛みから怠さ、重さへ変わります。つまり、鋭利な感覚から、鈍い感覚へ変化します。寝違えも処置が甘いと損傷した部分が凝りとなります。二つ目は静的な動きを強いられる場合です。デスクワークなど何らかの作業を同一姿勢で行っている時に発生します。これは血流不足の状態が形成されています。感覚は凝った、重いという感じが優位でしょう。
イメージするなら、Aは筋肉全体が強く緊張し短い状態なっています。
逆にBは筋肉が伸びており、所々にコリを抱えていたり、伸びているにも関わらず全体に硬化している状態であると言えます。
この二つの訴えは、触診や運動診と共に吟味しないと処置を間違えて全く効果のない治療となってしまう為に注意が必要です。
(※注)軽度の場合は生理現象です。問題ありません。
(著者:伊藤圭人)