いとう治療院ブログ

「身体と正面から向き合う」ということ。~根本療法の大切さ~

2012/2/16

  • 一般鍼灸

♣「自分の身体と正面から向き合う」

この言葉が意味すること。

今回は「症状から逃げない」「症状を悪者にしない」ということにしましょう。

確かに、痛み・だるさ・不快感などの身体に感じる苦痛を取り去って欲しいと思う気持ちは全ての方にあると思います。もちろん、私も同じ気持ちです。

しかし、単に目先の苦痛を取り除くだけでは、良くないケースもあります。

そもそも、症状はなぜ起こるのでしょうか。ただ単に、われわれを苦しめる為だけにあるのでしょうか。

 

♣「苦痛」は身体からのサイン

苦痛を警報機能と考えてみましょう。苦痛は、身体から精神へ(無意識から意識レベルへ)と身体の不調・異常を伝える役目があります。痛みや不快感などの症状は警報機能が発揮された結果です。そして、その警報の裏には必ず原因があります。症状は身体からの重要なサインだということです。

ただ、サインはあくまでサインであり、本質的なものではありません。原因があってサインをを発するのですから、原因を絶たねばならないことは容易に想像できます。

例えば、室内には悪臭を放つゴミ箱があり、あなたはとても苦痛に感じています。

その時あなたがとる行動は・・・

消臭剤を置きますか?ゴミ箱に蓋をしますか?臭いを逃がすために窓を開けますか?

それとも、ゴミ箱の中身を処分しますか?

多くの方は、本質的な改善を目指し、ゴミ箱を処分するでしょう。先に挙げた3つの行動例は本質的な改善にはなりませんね。

身体も同じことです。症状に蓋をしたり、原因も考えずに逃がしたりしていては、症状はまたやってきます。その間、ゴミ箱の中身はどんどん膨れ上がり、当初よりも処分するのが大変になります。

♣原因と結果。本治と標治。

東洋医学では、表面的な症状のみに対応することを「標治(対症療法)」と呼び、原因を追求して根本改善を目指すことを「本治(根本療法)」と呼びます。実際に施術では、まず本治法を行います。その次に標治法です。先に、原因を対処してから、結果である症状に対応するわけです。室内のゴミ箱の例をもう一度挙げるならば、まずゴミ箱の中身を処分(本治)してから室内に残った悪臭を窓を開けて逃がします(標治法)。

♣無意識から意識へ。

このように、苦痛および症状は身体に潜む何かしらの異常を我々が感ずる意識へと伝えてくれているのです。

ただ単に、痛みや不快感をただ忌み嫌うだけでなく、身体からの大切なサインとして受け止めたいものです。

症状を悪者とせず、有難いものとして受け止めることもいいかもしれません。症状と正しく向き合うことには、長期的な視点では精神安定に繋がります。逃げてばかりだとどこか後ろめたい気持ちになるのかもしれませんし、正面から受け止めることでポジティブで前向きな気分に近づくと思います。

何より、原因をしっかりと対処しようとする確かな気持ちの表れです。

贈り物画像

身体からサインは大切な贈り物かも

原因を追究した全身鍼灸

はりきゅう いとう治療院@豊中市