いとう治療院ブログ

東洋医学で解決する!眠れないのはな〜ぜ?

2024/8/1

  • 堀颯汰 ~やさしい鍼治療で家族3世代 を幸せに~

「眠れない…」そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。睡眠の質は、私たちの心身の状態に大きく影響します。

睡眠の質って?

睡眠には、睡眠時間だけでなく「質」も大切です。毎日同じ時間寝ていても、起きた時のスッキリ感が違うのは、睡眠の質が異なっている証拠です。

東洋医学では、睡眠は「陰」の働きによって得られるものと考えられています。夜になると陰気が盛んになり、意識が休まりやすくなるのです。

不眠の原因を探る

不眠の原因は様々ですが、東洋医学では「心」と「肝」の働きが大きく関わっていると考えられています。

不眠の症状

*入眠障害:夜なかなか眠れない。眠るまでに30分~1時間かかる。

*中途覚醒:夜中何度も目が覚める。その後なかなか眠れない。

*熟眠障害:眠ったはずなのに、ぐっすりと眠った満足感がない。

*早朝覚醒:朝早く目が覚めてしまう。

不眠のタイプ別に見る原因

東洋医学では、不眠は大きく4つのタイプに分けられます。

イライラ不眠

ストレスや怒りからくる不眠。一度寝付いてしまえば朝まで眠れますが、寝付きが悪くなることが多いのが特徴です。

くよくよ不眠

悩みや不安で日ごろから考えすぎてしまうのが原因の不眠。夜中に何度も目が覚めたり、浅い眠りが続き小さな物音でも起きてしまう特徴もあります。

食べ過ぎ不眠

食べ過ぎると眠くなることが多いと思いますが、眠れなくなることもあります。「味の濃いもの・油が多いもの・辛いもの」食べた際に起こりやすく、多くの場合一過性に起こる不眠ですが、食べ過ぎの食事を繰り返していると、慢性的な不眠へ移行してしまいます。

ほてり不眠

更年期障害など、ホルモンバランスの乱れが原因の不眠です。ほてりや寝汗を伴うので寝入るときに手足や胸の辺りが熱くなり、布団を剥ぎたくなります。熟睡感は得ることが難しいでしょう。

なぜ不眠になってしまうのか?

不眠になる原因は、東洋医学的な視点で見ると、以下のことが考えられます。

  • 五臓のバランスの乱れ: 特に、心と肝の働きが不調になると不眠になりやすいです。
  • 陰陽のバランスの乱れ: 昼夜のリズムが乱れると、睡眠の質が低下します。
  • 気の巡りの滞り: ストレスや感情の起伏が、気の巡りを滞らせ不眠を引き起こすことがあります。

まとめ

東洋医学では、不眠は単なる睡眠不足ではなく、体全体のバランスが崩れているサインだと考えます。

鍼灸治療を受療される患者様の中には、夜間の覚醒回数が治療後に減少したと報告される方が多くいらっしゃいます。

これは、東洋医学において不眠がストレスなどの心理的な要因に起因すると考えられていることと深く関わっています。

東洋医学では、不眠に効果的な経穴(ツボ)が数多く存在し、現代の臨床試験でもその有効性が確認されています。

このように、鍼灸治療は、伝統的な知見と現代の科学的根拠に基づいた治療法であり、不眠症でお悩みの方にとって、心身のリラックスと睡眠の質の向上に貢献できる可能性を秘めています。

もし、不眠や夜中の中途覚醒にお悩みでしたら、一度ご相談ください。


参考文献:森ノ宮医療大学紀要 第 16 号:75-80, 2022