気温と身体と鍼灸と。 ~自律神経のお話~
2011/7/17
- 一般鍼灸
7月。梅雨も明け、気温が急に上がってきました。
来院する方の中には、急激な気温の変化で体調不良を起こしている人が多いように感じます。
どうですか?
気温の変化と体調との関係において、皆さんが何か感じていることはないでしょうか?
気温の変化とわれわれの身体には密接な関係があります。
「恒常性(ホメオスタシス)を維持する」という言葉があります。「恒常性を保つ」とは【物事の状態を一定にする】と言う意味です。われわれの身体で言うと健康を保つということでしょう。体温を一定に保つことも「ホメオスタシスの維持」ということになります。
外気音が上昇すると、身体は体温が上がり過ぎないように汗をかいて放熱し体温を下げます。逆に、気温が下がると血管を収縮させて熱の放散を防ぎ体温低下を防ぎます。体温は高すぎても低すぎても、健康には悪影響があるので、一定にしようと身体が自然と調整します。
この調整を担う人体の機能が【自律神経系統】です。自律神経系統は、身体を意識的に動か神経系統(体性神経系統)とは異なり、人間の意識で操作できるものではありません。内臓の機能を無意識的・自動的に調整しているものです。
この神経系統の調子が乱れた状態を自律神経失調と呼びます。自律神経失調の傾向がある方は、季節の変わり目を苦手としていることが多いように思います。季節の変わり目は、気温・気圧・湿度が不安定な状態です。急に温度が変わったりします。この状態に適用させようと自律神経が必要以上に頑張り身体を一定に調整しますが、上手く働かない場合、身体を調整するばかりか余分な症状を引き起こしてしまいます。
自律神経系統は体温調整だけでなく、血管・内蔵など全身にくまなく張り巡らされています。それらは相互に関連して機能しますので、血流の異常「血管運動神経の失調」(→筋肉の痛み・コリや関節の疼き)、内臓機能の異常(胃腸障害・不眠など)を引き起こしがちです。
自律神経系統をリセットし正しいはたらきに戻す方法として一番簡単なのは、自然に逆らわない生活です。朝は日の出と共に起き、日の入りと共に寝る。食事は旬のものだけを食べる。エアコンや車などの機器に頼らず、汗をかいて歩く・・・。強い光を発するパソコンなんてもってのほか。
しかし、このような生活は、文明社会にどっぷりと浸かってしまったわれわれには最早不可能であり、通常の生活を行うだけでも自ずと乱れていいくでしょう。その乱れが、毎日の睡眠や休養でリセットされれば問題はないでしょう。ただ、疲労を翌日に持ち越し続けると、徐々に身体の調整機能(つまり自律神経)が病んできて外からのアプローチ(治療行為)が必要な状態となるのです。
自律神経を整える鍼灸院
はりきゅう いとう治療院@豊中