いとう治療院ブログ

【治療戦略と症例】 背部・腰部・殿部の痛み

2013/4/19

【患者情報】 40代 男性 会社員
【主訴】 背部・腰部・殿部の痛み(やや左寄り)
【現病歴】 5日前から原因不明で症状が発生。思い当たることは、4月の移動で肉体的な労働が増えたこと、環境の変化による精神的な窮屈さがあること。夜も寝れないほど痛い。筋肉が張ったような感じ。
揉んだり、暖めると軽快する方向
【随伴症状と既往歴】 急性腰痛(かなりキツイ)、自律神経失調、めまい、花粉症、ストレスから消化器の異常(便の異常)
【所見】 座位で前屈して痛み、反らしたら問題なし

【考察と戦略】
とても分かりやすい「脾虚肝実」です。膀胱経に実があり、足太陽と少陽の経筋が症状となっています。
情報には肝に関するものが多数あります。
松本岐子・長野潔両先生はとも花粉症などのアレルギーは肝が根底にあると言っていたと思います。

【処置】
脾虚治療を本治として、足太陽や少陽の経筋を緩める。

【課題】
仙骨部外縁(殿部)にやや違和感が残存した。
既往歴の急性腰痛は相当難治であったらしく、腸腰筋の障害と思われることを言っていた。仙骨部外縁の症状は、あたかもそこに症状があるかと思いきや、症状の局在は不明瞭であることが多く、
「奥の方ではないですか?」と質問すると大抵が「YES」である。
これは、腸腰筋・梨状筋を始めとした骨盤・股関節の歪みからの仙腸関節への負担があると思われる。

肝や脾を調整しつつ、足の陽明を加えた太陽・少陽経筋のバランス調整(骨盤調整の為の鍼灸治療)が今後必須である。

今回は伏兎や風市の経筋に対して刺鍼し、多少の改善を得て終了した。

【キーワード】 足三陽の経筋 脾虚肝実 肝の症状 骨盤矯正の鍼灸治療

※記号 397-1