【鍼灸の戦略と症例】頚部痛(寝違えを放置)
2015/4/17
- 鍼灸の戦略と症例
【患者情報】 20代 女性 デスクワーク
【主訴】左首の痛み
1ヶ月前の起床時に頚部の運動制限が生じる(寝違え)。その後、症状があったりなかったり 。
数日前から増悪し、安静時・夜間就寝時の痛みも出てくる。一度、マッサージに行った。
【随伴症状】
特になし
【その他】
頭痛持ち :起立性頭痛 脳脊髄液の減少を示唆( 頭痛外来)
ここ1,2年咳がよく出る
【所見】
頚部運動制限と疼痛:後屈・左側屈・左回旋が顕著、右のそれらおよび前屈はまだマシ
【処置と戦略】
全身的および月経痛に対して長野式基本処置 オ血処置 婦人科処置
→復溜 中封 尺沢 蠡溝
左寛骨の下垂(※最近、この所見に対して脾兪の補鍼にて対応している)
→脾兪、下膠 →下垂処置 生辺L 京門L
頚部肩部に対して
→C4 左肩甲挙筋、僧帽筋、棘下筋の各経穴へ 局所は置鍼を行う
【考察】
局所について、坐位での触診では該当部位は健側と比較して、表面的に弛緩している。深部はゴリゴリとした硬化の状態。また、頸部運動の状況からも、左肩甲挙筋等を中心とした虚血性の硬化と思われる。頸部運動にて患側への症状増悪がある際は、該当筋群は虚血性の硬化と考えている(もう、これ以上短縮できないほど、固まっているということ)。さらに、左寛骨の下垂がこの状況と関連している、左寛骨の下垂は胸郭や肩甲骨を下垂させ、これ付随して左首肩へ大きなトラブルを引き起こす。
年齢的に若いので施術効果は期待できるが、状況を考えると直後すぐに爽快とはいかないっ症状である。治癒の方向へ導くシステムを与え、吸息によってゆっくりと回復していくのである。
頑固な首の痛み・寝違えの実績が豊富な鍼灸院
はりきゅう いとう治療院@北大阪 豊中・吹田
※ 590